6月 01

因果関係から紐解くコインパーキングの料金設定ガイド

今回は、駐車場(主にコインパーキング)における料金決定方法の複雑さとその捉え方をご紹介します。

コインパーキングの料金体系はとにかく複雑

コインパーキングで最も典型的な料金体系は以下のようなものです。

 通常料金
  8:00~22:00 300円/15分
  22:00~8:00 100円/60分

 最大料金
  8:00~22:00 24時間 3,000円(繰返しあり)
  22:00~8:00 24時間 500円(繰返しあり)

コインパーキングには通常料金と最大料金の二種類が存在します。車を停車すると、はじめは停めれば停めるほど請求金額が増加しますが、ある一定時間を過ぎると最大料金に到達し請求金額がストップします。

さて、仮にこの料金を引き上げようとすると、どのような方法が考えられるのでしょうか?

  • まずシンプルに料金の金額そのものを引き上げことが考えられます。例えば通常料金であれば300円/15分→330円/15分にするようなイメージです。
  • また単位時間を短縮するという手もあります。例えば300円/15分→300円/10分にするという方法です。これも実質的な値上げですね。また最大料金の時間帯を24時間→12時間に短縮する方法も考えられます。
  • さらに平日と週末で料金体系を変える方法もあります。利用客が多い土日祝は300円/15分→600円/15分にするという方法もあります。

…ここまででも十分ややこしい世界ですが、さらに変更のバリエーションが存在します。

  • まず昼と夜の時間帯を変える方法があります。昼の時間帯である8:00~22:00を7:00~22:00に変更するような方法です。
  • さらに、車室ごとに差をつける方法があります。例えば車室1, 2, 3番は最大料金3,000円、4, 5番は3,300円といった具合です。

このように駐車場においては、例えばスーパーでの「リンゴ1個=100円」の世界とは比較にならない大変複雑な世界が広がっています。この複雑な料金体系はどのように理解すればよいのでしょうか?

コインパーキングの料金設定が複雑になってしまう理由

コインパーキングの料金はなぜこんなにもややこしい料金設定になってしまうのでしょうか?それを考えるヒントは料金変更する際の思考回路にあります。

例えば、最大料金の値上げをする場合は、「このエリアは長時間駐車をする人が多いな、だから料金を値上げしても占有率(注:駐車場がどの程度埋まっているかを表す指標。稼働率)は高いままだろう」と考えるわけです。また、時間帯を変更する場合は、「長時間駐車をするユーザーは早朝から多い、だから昼の時間帯を10時から8時に早めよう」となる場合もあるでしょう。

これは何を考えているのでしょうか。

答えは「ユーザーの利用傾向」です。ユーザーの利用動向によりそぐう形で料金設定をすることによって、売上を伸ばそうとしているわけです。

しかし「ユーザーの利用傾向」は一意に決まるでしょうか。否、そんなことはありませんね。短時間停めたいユーザーもいれば、長時間停めたいユーザーもいるでしょう。また昼だけ使いたい人もいれば、早朝から使いたい人もいるでしょう。様々なニーズを汲み取り、料金看板の上で表現しようとした結果が、複雑に見える料金体系なのです。

それではなぜ「リンゴ1個=100円」のようなシンプルな価格体系で表記できないのでしょうか。

それは駐車場という商品の特性にあります。駐車場は一見、一つのまとまった商品に見えますが、実は車室に分かれています。リンゴ=リンゴですが、駐車場=車室+車室+車室+車室… なのです。複数の車室で、多様なユーザーニーズに答えることができる料金設定をしている、それをいっしょくたにして料金看板に表示しているので、複雑な料金体系になるわけです。

コインパーキング事業者は何をどのような順番で考えて料金設定をすべきなのか?

さて、このような複雑な料金体系を改善するにはどのようなステップが考えられるでしょうか?駐車場の料金最適化に取り組む弊社の見解を記載していこうと思います。

さきほど「料金変更はそもそもユーザーの利用動向によりそぐう形にすることで、売上を伸ばそうとしている」ことだと書きましたが、この部分をもう少し深堀してみましょう。

ユーザーの利用動向が変化すると、売上に変化が出ます。変化が大きい場合は料金変更で対応しなければいけません。しかしなぜユーザーの利用動向が変化するのでしょうか。それは駐車場の外部要因が変化したからだ、と考えられます。外部要因として考えられることとしては、

  • 近くの競合拠点が料金を変更した
  • 近隣で工事が始まった
  • 大規模なイベントが開催された
  • 新たに周辺施設がオープンした

などがあるでしょう。ここまでの流れを整理すると、
外部要因の変化 → ユーザーの利用動向の変化 → 拠点売上の変化
という因果関係が明らかになります。

さて、ではこれで料金の改善は出来るのでしょうか?実はさらにその先があるのです。

現状として分かったことは「なぜ売上が変化したのか(=Why)」です。料金を改善する際は、変化が起こった原因を汲み取る形で「どのように料金を改善すべきか(=How)」考える必要があります。

例えば拠点売上の変化が工事車両が増えたからだとしましょう。すると工事車両を取り込めるような料金体系にする必要があるわけです。

まとめると、
拠点売上が変化 → Why=なぜ売上が変化したのか → How=どのように料金を改善すべきか
の順番に考えるべき、ということになります。

さらに「WHy=なぜ売上が変化したのか」の部分は、
拠点売上が変化 → ユーザーはどう変わったか → 外部要因の変化から裏付けられるか
の順に考えればよい、ということが分かります。

MagicPriceでご支援できること

空は上記の「How=どのように料金を改善すべきか」に答えるだけでなく、「Why=なぜ売上が変化したのか」にも答えるサービスを提供しています。

まず「ユーザーがどう変わったか」に関しては、機械学習の手法を用いて、売上データから想定されるユーザー像を特定することを行っています。

また「 外部環境の変化から裏付けられるか」に関しては、全国の駐車場拠点の料金変更や新設・廃止の情報、工事情報、イベント情報などを収集し、地図上に一元的に表示するサービスを提供しています。

これらのツールを用いることで、「Why=なぜ売上が変化したのか」という問に答えることが可能となるわけです。ご提供サービスに関する詳細は、ご興味がございましたら是非お気軽に問い合わせください。

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